
普段利用しないスーパーに立ち寄ってみたら、仕入れルートが違うからなのか地元に帰って来て初めて女峰(にょほう)という品種の苺を発見しました。
一緒に買い物をしていた母も「あら、懐かしい」と一言。そうなんです、女峰はその昔、ケーキの上にのっている苺と言えば女峰というくらい、全国的な人気を誇る品種だったのです。

いちご王国・栃木県で誕生し、1985年に品種登録された女峰は1990年代頃まで広く出回っていました。ちょうど、私が子供の頃に食べていた苺なのです。
「東の女峰、西のとよのか」と言われるほど人気があった女峰ですが、その後に誕生したいちご界のスーパースター、とちおとめと代替わりをし、現在の生産量はかなり少なくなっています。
東日本で栽培されていた女峰ですが、現在は香川県が主力生産地となっています。私がスーパーで見かけた女峰も香川県産でした。

色づきがとってもよい女峰。ケーキの上によくのっていた、と先ほど書きましたが、生クリームやスポンジケーキは甘さがあるので、女峰のような酸味をきちんと感じられる苺はピッタリなんですよね。酸味があるからこそ、甘さもしっかりとひきたてられるというか。

女峰は個人的に、とにかく姿形が美しいなあ、と思います。いちごの優等生のような、綺麗な円錐形を保っています。

そして、こちらが女峰の断面図です。赤色と白色がちょうど半分ずつくらい。維管束も太くてしっかりとしています。ハッキリ見えますよね。

最近の新品種の苺に比べると、やっぱり酸味はハッキリと感じられます。ただ、酸っぱいから食べられない、という事はなく、どこか懐かしい、甘酸っぱさを感じる苺本来の味わいだなあ、と。もし酸っぱいと感じるのであれば、練乳をかけてもいいんじゃないでしょうか。

オープンサンドにする時は、土台に甘めのホイップクリームをたっぷりと塗って…。ショートケーキ風にして楽しむといいと思いますよ。